読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

行列屋さんの作業ログ

行列まわりで色々やってたエンジニアの作業メモ&国内外旅行記ブログ

板門店に行ってみた 韓国5泊6日 旅行記⑤ 板門店ツアー前編

海外旅行

この記事は下の記事の続きです
liberaldays.hatenablog.com

韓国旅行4日目.今日はいよいよこの旅の主目的である板門店ツアーに参加します.記事が長くなったため,これは前編とします.


起床後,とりあえずロビーで朝食を頂きます.
朝の時間帯にはロビーにコーヒー,シリアル,スープ等,ちょっとした食事が用意されています.必要最低限といった感じですけれど,1部屋4000円程度のお宿でこれだけ付いていれば大満足です.ありがたく頂きます.

腹ごなしを済ませたらツアーの集合場所のプレジデントホテルに地下鉄で向かいます.
板門店の観光ツアーは数社が実施していますが,「国際文化サービスクラブ」が主催するツアーに参加します.秋夕の土曜日に催行しているのがこの会社だけでしたので….
【ソウル発・南北境界線ツアー】板門店(JSA)ツアー☆土曜日にJSAに行けるのは、このツアーだけ!<火・土/午前/日本語ガイド/昼食付> | ソウルの観光・オプショナルツアー専門 VELTRA(ベルトラ)


JSA(板門店)のみの半日ツアーと,DMZ付近の南侵トンネル都羅山駅も同時にめぐる1日ツアーの2つのコースがありますが,1日ツアーは既に満席でしたので半日ツアーに参加します.


市庁前?の広場.左端にプレジデントホテルがちょっとだけ.

8:20が集合時刻でしたので,余裕をもって8時にホテルへ.ホテル3Fのツアー会社オフィスでチェックインを行います(日本語が通じます).ツアー出発時刻が8:50と教えられたので,20分程ホテル一階のカフェで休憩.フレッシュオレンジジュースが12000ウォンでした.

カフェからロビーを眺めたところ,ツアー参加者と思しき人がだんだんと集まってきました.7割くらい日本人かな?

オレンジジュースを飲み干したら時間になったので,ホテル目の前にある観光バスにのりこみます.バスは2台体制で全席指定.チェックイン時に貰った控えにバス番号と座席が書いてあるので,この通り間違えずに乗り込みます.最後にガイドさんが乗車して,いよいよツアーに出発です.

韓国人のガイドさんによると,今回のツアーの参加者は約60人.うち7割が日本人で,残りは欧米系の人とのこと.私達が乗ったバス(1号車)は全員日本人なので日本語で全て解説するけれど,2号車は日本人,欧米人混乗なので日本語ガイドと英語ガイドの2人が付いているようです.

ソウルから板門店の付近まではバスで1時間強.途中SAで1度休憩してこの所要時間です.あまりの近さに驚愕しました.
バスの中ではガイドさんがほぼ休みなく車窓から見えるものを解説してくれます.ソウル市内を走っているときは,宮殿やカンナム,ソウルの三大大学などについての解説が主.これだけなら普通の観光ツアーと変わりません.
しかし自由路という国道(高速道路?)に入ると,軍事...というか,北朝鮮からソウルをどのように防衛しているかについての話が中心になります.というのもこの自由路は北朝鮮板門店,開城工業地域とソウルを結ぶ最大の国道.北朝鮮との境界線付近を走っているところもあり,有事の際には間違いなく重要な道路になります.


ソウルから川沿いに走る77号線が自由路

ソウル市中心部を出たところには戦車止めがあります.コンクリート製のトンネルのようなもので,有事の際はこれを爆破,崩落させて戦車の侵入を防ぐようです.


ストリートビューでみた戦車止め.広告が掛かってます.

またこの先は,道路に並行して流れる臨津江という川の対岸が北朝鮮になります.そのため道路の端には有刺鉄線と監視塔が.

有刺鉄線と監視塔.奥の山はまだ韓国.


奥の方のもやっとした山が北朝鮮.ガイドさん曰く,「韓国と北朝鮮を見分けるには山を見れば良い.北朝鮮の山は木が伐採されて禿げているので陰影がなくもやっとしている」そう.

そんなこんなで統一大橋の検問所へ着きました.
統一大橋は臨津江に掛かる橋で,ここから北が民間人が入れない地域になります.DMZ入り口のようなものと考えればよいでしょうか.
検問所ではパスポートチェックがあります.
韓国陸軍の兵士が車内に入って一人ひとりパスポートと顔を比較してゆきます.この第一回のパスポートチェックはあまり厳しくなく,すぐに終わりました.兵士の腰にはピストル状のものが備え付けられており,人生で一番火器に接近した瞬間だったかもしれません.
検問所には他にも何台か観光バスが待機していました.ガイドさん曰く,「おそらくトンネルやDMZ内の街に向かうバス.板門店に行ける人数は限られていて,今日の午前はうちのツアーだけだから」とのこと.さらに「だから板門店ツアーに申し込めた運と国籍を持ってたあなた達はほんとにラッキー」とも.

「国籍」...板門店ツアーの参加者には国籍の制限があり,申し込み時の案内によると

とのこと.韓国人も北に逃げる可能性があるということで,学校の教師など一部の特殊な職業を除き参加できないそうです.
ちなみに板門店以外のDMZ施設へは概ねどの国籍でも入れるようで,最近は中国人観光客が増えているとのこと.

板門店に行ける国籍で嬉しいようななんとやら.

検問が終わるとバスは戦車止めが設置された橋を大きく蛇行しながら渡り,ひとまずの目的地「キャンプボニファス」を目指します.ちなみにこの先,バス車内からは一切の撮影が禁止.写真が相変わらずないですがご了承下さい.

静まり返ったバスで走ること10分,南側最前線基地である「キャンプボニファス」に到着しました.到着後は集合写真をパシャリ.
宿舎っぽい建物や,運動場っぽい場所の外れにVisitor Centerがあり,この1Fでまずブリーフィング(板門店についての説明)が行われます.

Visitor Center(後の自由時間の時に許可が出て撮影したもの 盗撮はしていない)
ちなみにこの建物の2Fには資料館が,1Fの左側には免税点があり,板門店見学後の自由時間にゆくことが出来ます.
とりあえず今はブリーフィング.

ブリーフィングでは朝鮮戦争の流れと停戦,DMZ板門店の成立について,停戦後のいざこざについての解説がありました.
その後,板門店での禁止事項を説明されます.
禁止事項は,飲食,飲酒(これはツアー参加数時間前から),カバンの持ち込み(今までのバスに置いてゆきます),傘・杖の持ち込み,指をさすこと・合図をすること,不必要に動くこと,列を乱すこと,必要以上に大声で話すこと...などなど.何度も念を押されました.
正直かなり厳しいです.「指をさす」動作は何かの拍子にやりかねないので見学中は手を後ろで組んでました.

禁止事項の説明で念を押されたもの理由があり,実はツアー参加の8日前,2016年9月9日に北朝鮮が核実験を実施.更に2016年8月にはDMZ内で北朝鮮が設置した地雷の爆発で韓国兵2人が負傷,これに対し韓国側が拡声器を用いた宣伝放送11年振りに実施.その上,北朝鮮兵士,外交官,政府高官の脱北が相次ぐ...といった感じで南北の緊張状態がこの上なく高まったタイミングでのツアー開催でした.
そりゃあ厳しくいいますね...むしろツアーが中止されなかったのがすごい.

ブリーフィングと同時に,誓約書に署名を求められます.
何が起きても,そして死んでも自己責任という内容.重い内容ですが時間がないのでちゃっちゃとサインして渡します.
北朝鮮側ではなく,「共産側」という表現になってるのが面白い.
(ツアー終了後に誓約書は貰えます)

誓約書

ブリーフィングの前後には,2回目の検問も行われます.この検問は1回目の検問よりも厳しくパスポートチェックに加えて服装までチェックされます.
服装既定はこんな感じ(veltraからのコピー)

【服装規定】
着用不可となる服装:袖なし・襟なしTシャツ、レザーの服やジーンズ(但し、色落ちや破れの全くないものであれば可)、半ズボン、ミニスカート、派手な服、作業服、身体に密着する服、軍服スタイル、トレーニングウェア、登山靴、革紐のついた靴、スリッパ、ゴムスリッパ、ミュールなどかかとを固定していないもの(かかとのストラップがあるサンダルは可)、スリッパ。その他、共同警備区域にふさわしくない服装。ブランドのロゴが模様となって全体を覆っているマフラーやジャンバー等不可。スポーツチーム等のロゴが大きく入った服や帽子不可。

「共同警備区域にふさわしくない服装」はだめということで,ジャケット持参で向かいましたが...実際は半袖Tシャツ+チノパンって感じでも問題ないようでした.

誓約書記入後に国連軍関係者を示すバッジを渡されます,このバッジは見学終了まで目立つところに付ける必要があるとのこと.その後はトイレ休憩.板門店訪問中はトイレに行けないので今のうちに行っておきます.ハンドソープが花王のでなんか安心.

さて,いよいよ板門店に向かいます.
板門店までは今までのバスではなく,国連軍が用意したバスで向かいます.持ち込めるのは貴重品とスマホ,カメラのみ.カバンなどは1台目のバスに置いてゆきます.
障害物や戦車止めを抜け,片側1車線の道路を進みます.周りは一見長閑な農村風景が広がっているんですが,よくみると監視所や有刺鉄線が所々に.
やがて北朝鮮が建設した世界最大級の国旗掲揚塔(高さ160m)が見えてきます.ここまで来ると板門店は目の前.

f:id:liberaldays:20170219143703j:plain:w600
機井洞の国旗掲揚塔 写真はwikipediaより (ここまで大きくは見えませんが)

バスに乗ること10数分,板門店に到着です.ここから先は時間が限られているのでちゃっちゃと進みます.
韓国軍(国連軍)側の建物を通り抜けるとブログ冒頭の写真の場所に出ます.


どこか遠くの方から音楽が聞こえてきましたが,これは前述の拡声器による宣伝放送だった模様.
休む暇なく目の前の会議施設内に入ります.入場後はまた集合写真をパシャリ.その後5分程度の自由時間が与えられるので,ひたすら写真を撮りまくります.


会議施設内の韓国軍兵士.微動だにせず生きているのかよくわかりません.サングラスは目線を隠すため.施設内には2人立っていました.ここに配属されるのは陸軍の一握りのエリートのみらしいです.一緒に記念撮影?出来ます.


施設内から外を撮影.コンクリートブロックが南北境界線で左が北朝鮮です.会議施設は境界線上に建っておりこの施設内であれば最大4m程北朝鮮に越境できます.北朝鮮入国の実感はあまり.

約五分後,韓国軍と米軍の兵士から外に出るよう指示されました,なんとなく物足りないもののおとなしく従います.

今度は建物の外に並び,北朝鮮側の撮影タイム.

右手の建物の国連旗の幕下に,韓国軍の兵士が建物から身体半分だけ出して向こうを見つめています.半身隠してるのは有事の際に急いで身を隠すためだそうです.


向こうの建物入り口に北朝鮮の兵士が立っていました.こちらの様子は常にカメラで監視されており,有事の際はワラワラ出て来る...らしいです.観光客相手には出てきてくれないそう(当然ですが).


上の階に兵士がもう一人出てきた!と思いきや,掃除か点検の人のようでした.

この場所は拡声器の宣伝放送が流れているのにも関わらず,そよ風の音が意識されるほどとても静かでした.
5分ほどの撮影タイムの後,バスに乗車して再びキャンプボニファスに戻ります.

以前は展望台や「帰らざる橋」の見学も可能だったようですが,緊張状態の高まりから前者は有事の際に身を隠せないため,後者は北朝鮮が付近に地雷と重火器を設置したため,現在は見学出来ませんでした.
この場所が自由に見学できる日はいつになるんでしょうかね.

さて,キャンプボニファス到着後は国連バッジを返却し,Visitor Centerで30分間の自由時間になります.とりあえず2階の展示室と1階のお土産店に行ってみます.
まず展示室ですが,板門店の模型や有刺鉄線の実物等が展示されていました.生憎,さっき見たもののインパクトが強すぎて印象に残りませんでしたが.
次にお土産店.板門店DMZのロゴが入ったTシャツや,北朝鮮の産品が販売されています.細かいところをみなければよくある道の駅の品揃えです.

折角なので北朝鮮のお札と,北朝鮮産ワイン(帰国後飲みましたが,ほぼぶどう酒でした.色んな物が沈殿しておりキッチンペーパーで濾過して飲むことに.),DMZ記念チョコレート(ただのチョコレート)を購入.

北朝鮮のお札

キャンプボニファス以北への滞在時間は1時間程度ですが,普通ではない緊張の連続でかなり長く感じました(でも写真撮影タイムは短かった).
バスはこの後,付近の臨津閣国民観光地に向かいますが,記事が長くなったためとりあえずここまで.

次の記事はこちら
liberaldays.hatenablog.com



VELTRA